わたり終えるか、転げ落ちるか
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図書館総合展フォーラム2011 in 京都」に行ってまいりました。私が到着した頃には、会場のキャンパスプラザ京都、超満員!入った瞬間「立ち見」が過ぎりました(奥の方の空いてる席に無理やり入りこんで座りました)。テーマは「図書館で電子書籍を使いこなす-知の拡大生産に向けて-」と、電子書籍、電子図書館について。長尾館長の電子図書館構想の進捗報告、という感じでしょうか。
電子図書館 新装版電子図書館 新装版
長尾 真

by G-Tools
ものすごく大雑把ですがざっとまとめますと、「日本中の人々が、国の知識を、自由に、利用できる」が目標→でも現段階では、国立国会図書館に来ないと閲覧ムリ→情報通信技術を使えば公共図書館、将来的には各家庭への配信可能→ただし、著作権をはじめ、いろいろと問題あり→「どういうモデルを作れば著者・出版社と国がWin-Winになれるか」という難問→今一生懸命取り組んでます、と(大雑把過ぎるか)。その後のパネルディスカッションでも、この構想には「いろんなところからいろんな反対が」あるので、「相当の時間を要する」とおっしゃっていて、その口調から、本当にいろいろ大変なんだなぁと思いました。とは言え、ここは慌てても仕方ないので「5、10年先を見据えて」やっていく、とのことでした。その後は、NDLが行っている主にWEBもののお話(NDLサーチ、JAPAN/MARC提供、レファレンス協同DB総合目録DB)について概観。

あまりにもざっくりしたまとめですが、詳しくは、@humottyさんによる詳細レポが素晴らしいのでそちらと、@shibureさんによる今回の図書館総合展in京都の前後を含めたトギャッタにリンクを貼らせていただきます。こちらも素晴らしい!そしてあぁ蘇る記憶!

<参考>
「図書館政策フォーラム2011 図書館で電子書籍を使いこなす-知の拡大生産に向けて-」レポート
Togetter - 「図書館総合展京都2011 合同懇親会」(楽しかった!あっという間でしたが、いろんな方と知り合えた!)

今回のフォーラムの前に、長尾館長の過去の論文をわらわらと拝読し、気の早いことに私は、長尾構想が達成された「後」のことが気になってしまっていました。「情報社会の生態学」という論文に、以下のような記述があります。

…公共的情報、公共的情報システムから与えられる情報は誰でもが利用できるという意味で便利ではあるが、誰でも持っているものは情報でないとも言える。自分だけが持っているものが貴重な情報で、そのような情報をこそ持つように努力しなければならないのであろう。膨大な誰でもが利用できる情報の中から自分にとって価値のある情報を引き出し、またそれを自分の立場から解釈して新しい意味付けを行うことによって初めて可能となるものである。そういった意味で困難な時代に我々は生きていると言える。

すべての情報に、誰もが、いつでも、どこでもアクセスできるようになる。それはそれで便利。でも一方で、「誰でも持っているものは情報でない」という、ちょっぴり逆説的なことになるというご指摘。アクセスできない、アクセスしがたい、という状況があるから、それは「情報」たりうるのだ、と。確かに。そしてさらに、誰でも、いつでも、どこでも情報にアクセスできる環境の中で、「自分にとって価値のある情報を引き出し、またそれを自分の立場から解釈して新しい意味付けを行う」ことのできる、(超ハイパーな)個人が求められる「困難な時代」であると。私は長尾館長は、電子図書館構想の達成もさることながら、その構想下で生きる「個のあり方」について、ある種の懸念を抱いておられるのでは、と思った次第です。

さらに、電子図書館構想下に生きる「個」に求められる条件(と私が勝手に思った)として、(ちょっと文脈が違うかもしれませんが、)「科学哲学の新しい考え方と工学の使命」という論文で言及されていた、「何らかの予見的知識によらず、現象を虚心に見るということの重要性」。すべての情報に、誰もが、いつでも、どこでもアクセスし、「自分にとって価値のある情報を引き出し、またそれを自分の立場から解釈して新しい意味付けを行う」ことができ、言ってみれば、ある事象に対して好きなだけ予備知識を持てたり、理論武装できる環境にいながらも、「何らかの予見的知識によらず、現象を虚心に見るということ」。こういう「個」を、長尾館長は思い描いてらっしゃるのかなぁと思いました。想像してみるに、私もそんな「個」になってみたい!と思う一方、そのハードルの高さに、呆然。

「電子図書館構想」と、その構想が実現した世界に生きる「個」。難しいのは、どっちでしょうか?
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