わたり終えるか、転げ落ちるか
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■6/11(土)、以前書いた第5回Code4Lib JAPAN Workshopの日記にて「マイ青春時代を黄金色に染めつくした母校の図書館の方々」と思わず熱く語ってしまった皆さまと(全員ではなかったのですが)、何とお食事の会を一席もうけていただきました♪いや~楽しかった!とにかく聞きたいあれこれが多すぎて、この日だけでは聞ききれないところもあったのですが、(もし呼んでもらえれば)また次回お話聞けたらいいなぁ、と期待。そして帰り道、いろんな思い出がわーっとフラッシュバックしてやばかったです。

■そんな楽しい×2会の前に、「レクチャー第一次世界大戦を考える 連続合評会」の第3回「複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 」に行ってきました。読み終えたときの感想でも書いたのですがとにかく難しい本でして、これは補講的な周辺情報がないと、とてもじゃないけど理解できない、と思い、前回、前々回とはちょっと違う動機での参加となりました。
複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 (レクチャー第一次世界大戦を考える)複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 (レクチャー第一次世界大戦を考える)
山室 信一

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山室先生と言えば、「日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界 (岩波新書 新赤版 (958))」、「憲法9条の思想水脈 (朝日選書823)」、「キメラ―満洲国の肖像 (中公新書)」等、代表作満載なのですが(あ、「キメラ」まだ読んでないです…)、これらの著書を含め、先生の文章に割と馴染んできたつもりだったのですが、それでも「複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 」はかなり難しかったです…うーん、どうしてでしょう。
日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界 (岩波新書 新赤版 (958))日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界 (岩波新書 新赤版 (958))
山室 信一

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憲法9条の思想水脈 (朝日選書823)憲法9条の思想水脈 (朝日選書823)
山室 信一

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キメラ―満洲国の肖像 (中公新書)キメラ―満洲国の肖像 (中公新書)
山室 信一

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思うに、「ユーラシアの岸辺から―同時代としてのアジアへ」のような、「エッセイ調の」文章が少なかったからではないしょうか…。また、「近代日本における国民国家形成の諸相」や「井上毅の国際認識と外政への寄与」を読ませていただいたときに感じた「この先生は、日本という国を、ちゃんとした独立国にしたいんだなぁ!」という熱い思いも、あまり感じられなかった気がしました(私の読解力と歴史の知識のなさが原因のほとんどなのですが)。
ユーラシアの岸辺から―同時代としてのアジアへユーラシアの岸辺から―同時代としてのアジアへ
山室 信一

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以下、そんな私の思いを予想してたかのように、熱く熱く発射された先生のお言葉メモ。

小関先生の読後感、「知的風景が一変した」。執筆してみて山室先生自身もそう感じた。
・この研究班に入らなかったら、第一次大戦が、教科書通りの断片的知識で終わるところだった。
・第一次大戦は、社会生活すべてに及ぶ大転換だった。
・「世界大戦と国民形成」ですら、中国と第一次大戦との関係が欠落しているので、これを小野寺先生に埋めていただくのがねらい。
・孤児の問題。カナダ・アメリカの義勇兵。日本から仏へ義勇兵に行くこともあった。そのままロシア革命の担い手になる、ということもあった。
・加藤陽子氏の著書でも第一次大戦関連で触れているのは、ベルサイユ会議のみ。
・学会でも第一次大戦は無視されてきたと言ってよい。
・「連鎖視点」。missing linkを取り戻すのが私の役目。
・外交戦に数々失敗。その後の日本を運命付けた。
・第一次大戦は特異。従来は敵国への「敵国感情」があった。第一次大戦ではなし。天皇ですら、開戦を知らなかった。
・アングロサクソンとさえうまくやっていたら、日本はやっていけた?いや、日英同盟だけではダメ。アメリカの存在が必要。
・第二次世界大戦=日米戦争。
・日本人が初めて「第一次大戦」と名付けた。
・隠れテーマ(1)批判的視線の発掘。そのような第一次大戦に対して、誰が、どのように批判したか。
・第一次大戦を研究して、初めて石橋湛山(東洋経済新報)の言っていることがわかった。
・隠れテーマ(2)「視覚の戦争」。「メディア・ウォー」可能な限り、ポスター、カリカチュアを入れた。「メディア戦争」だったことがわかると思う。専門家でも初めて見た図や写真が多い。
・第一次大戦を通じて、「人類がいかに変わっていったのか」。これを知るのに「第一次大戦」は非常に有効なツールであった。
・「汎発戦争(パンデミック・ウォー)」の時代。この言葉、流行らせてみたい(笑)。
・武力戦、外交戦、科学戦、文化戦、生活戦…まさに総力戦。
・プロパガンダ、とは元々カソリックの伝道の言葉。ナチスが悪用した。いかに真実から目をそらさせるか。
・アメリカ的生活がいかに良いものか。
・パリ非戦条約。ここで戦争が「違法」になる。憲法9条。「相互の理解が少ないから」戦争になる、という認識。この考え方はユネスコに典型的。
・杜翁=トルストイ。君死にたまふことなかれ(与謝野晶子)。
・パリ講和。ベルサイユ会議。外務省がコテンパンにやられる。
・戦いは文化・文明の父。
・陸軍省、内務省、外務省。とりわけ陸軍省と内閣が、第一次世界大戦を徹底的に研究。
・1919年の新聞で「次の戦争はメディア戦争である!」。
・新しい広報外交。
・Global、Regional、National、Local、このうち、National、Localが文化を持つ領域。
・近代-現代/個人-大衆。「文化」という言葉が頻出。
・夫人と子供をどう戦争に巻き込むか(配布資料にポスター)。従来は勇敢な男のポスターばかりなのに…。
・ウソも100回言えば真実になる。4minutesMEN(4分間演説)「ワンフレーズで、短く、何回も」。
・モダンガール像。大股で歩く女性。1921年婦人参政権。市川房江。女性の社会進出。
・コカコーラ。マネキン。婦人公論。森永キャラメル=「元気な兵隊に!」
・1913年、「婦人クラブ」「新婦人協会」。女性と子供。
・国際的な生活水準。これをめぐって闘争。中廊=個室。婦人室。パーラー=話す。(cf:パーラメント「議会」)
・童話こそ芸術。
・「次の時代に歩んでもらいたい道筋」としての役割。
・大学の変化。東京、京都の2つのみ。法文学部のみだったのに、経済学部ができた。
・第一次大戦後の設備投資がなければ、第二次大戦は戦い切れなかった。
・publicを使わなければだめ!個人のあり方(大正デモクラシー)。「国につくすための個」ではだめ!

その後、「みるからにペーペーが交じっております(笑)」と会場の笑いを誘った小野寺先生の講義へと続き、「第一次大戦の歴史に中国が欠落している」ことの理由として、「日本史と西洋史は情報を共有しやすいが、東洋史はからみづらい」と述べた後、山室先生に「今すぐにこれで論文書きなさい!」と叱咤された、あまり聴くことのできない、中国と第一次大戦との関係について論じられました。

うーん、それにしてもこれほどの超一級の歴史家の先生でも(だから?)、「初めて知った」「ずっと知らなかった」というお言葉をばしばし聞けたことに、大変驚くとともに、妙な安心感をいただきました。
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