わたり終えるか、転げ落ちるか
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■特に深い意味はないですが、「課長島耕作」とか「ソラニン」とかを、読み返したりしてました。
ソラニン 2 (ヤングサンデーコミックス)ソラニン
浅野 いにお

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課長島耕作 (1)  新装版課長島耕作
弘兼 憲史

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■1/12(木)、京都人類学研究会にて、石井美保准教授の報告『「不浄」から「野生の聖」へ-南インドのブータ祭祀におけるヒエラルキー、憑依、環境ネットワーク』を拝聴してきました。「聖霊の贈与」論文の、以下の箇所で指摘されていた「参与している人々みなに分かち与えられる」といった女性の役割についての先生のお考えや、

 癒しの儀式を供犠祭祀とパラレルな関係にあるものとしてみるとき、癒しの対象となる女性の存在は、共同体の苦悩や祈願をその身に引き受けて聖霊に供される犠牲であるとともに、聖霊からの癒しを受けとる供犠祭祀の一人として考えることができる。つまり、癒しの対象となる女性は、供犠祭祀における犠牲と同じく聖霊/穢れを負ったみずからの身体を聖霊に捧げることでいったん死に、その見返りとして聖霊からの贈与、すなわち癒しを受けとることになる。しかも、ここで重要なことは、自己の身体を捧げることの見返りとして彼女が受けとる癒しは、供犠祭祀の場合と同じく儀式に参与している人々みなに分かち与えられるという点である。

また、先生の研究テーマであります「精霊祭祀」の特長について、「精霊の流通」論文の、以下の整理に見られる「混交を伴う拡散的な力」「個人的であり動態的」というご指摘から、

神霊祭祀において、祭祀の様式と司祭の形式過程は特定の地域社会と出自集団へと収斂する凝集的な力としてはたらいている。このことは地域の王権と結びついた伝統的祭祀の継承を可能にするとともに、移民の流出によって拡散した出自の回収と再編成という意味をもつ。一方、精霊祭祀では、祭祀の様式と司祭の形成過程は遠隔地への移動と異質な集団との混交を伴う拡散的な力によって特徴づけられている。―中略―…神霊祭祀では地域社会への帰属に基づき、神霊と司祭との間に安定した関係が築かれていたのに対して、精霊とその司祭との関係はより個人的であり動態的である。

分かち与えられ」、「拡散」し、「動態的」な特徴を持つ、先生がお考えになる「ネットワーク」というものについて、詳しくお話をお伺いできれば、と思っていました。私の南インドの慣習や儀礼についての理解がおぼつかないところが多かったですが、報告の結論部にありました「やりとりのネットワークと人間―精霊―自然関係」については(個人的に、ですが)そのエッセンスが垣間見えたような気がしました。ご著書「精霊たちのフロンティア」の方は未読ですので、こちらでもう少し理解を深めたいです。
精霊たちのフロンティア―ガーナ南部の開拓移民社会における“超常現象”の民族誌精霊たちのフロンティア―ガーナ南部の開拓移民社会における“超常現象”の民族誌
石井 美保

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質疑の際に印象的だったのが、研究を進める上で大切にしたいとおっしゃっていた「二項対立を取り戻したい」というお話。ふと「越境するラスタファリ運動」論文に見られる、「西欧資本主義・物質文明」「憧れ(の裏腹としての「迎合」)」と、「(豊かな)自然」「神秘性」「よき伝統(の裏腹としての「廃絶させねばならない悪しき因習」)」のような整理や、「神霊との交換」論文にありました、「慣習的制度および祭祀の実践」と「政府の制度および近代法」との「せめぎあい」に関する記述を思い出しました。また、質疑の最後の方では、石井先生はどうしてそんなに文化人類学に秀でているのか、というお話にもなり、そのやりとりの中で、最近読んだ「武道的思考」の中の以下の記述を思い浮かべていました。

 「観察力」は強いサーチライトを当てて、倍率の高い望遠鏡で対象を眺めるような感じがするけれど、名探偵たちはむしろきわめて受動的な、ほとんど可傷的な(vulnerable)状態で他者の身体の前に向かっているように思えるからだ。「強い身体」は微弱なシグナルには反応できない。「傷つきやすい身体」だけが「傷ついた身体」からの呼びかけ(calling)」を感知できる。
 計測機械は可傷的ではない。だから、機械は「逸脱」は検知できるが、「弱さ」は検出できない。
 「弱さ」というのはアウトプットそのものではなく、ある種のアウトプットを生み出す傾向のことだからである。

武道的思考 (筑摩選書)武道的思考 (筑摩選書)
内田 樹

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帰り道に思わずこういうツイートをしてしまったほど、興奮したひとときでした。
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