わたり終えるか、転げ落ちるか
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2/16(土)、京都精華大学にて行われた、『現代における「自由」とは何か』高橋源一郎(小説家)×古市憲寿(社会学者)対談を聴きに行ってきました。大きな会場はほぼ満席。先日の文化系トークラジオLifeで古市さんがあの加藤秀俊さんとのエピソードを語っておられましたが、古市さんと年配の方(しかも高橋源一郎ですよ!)とのトークということで大変楽しみにしておりました。
希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)
古市 憲寿

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絶望の国の幸福な若者たち絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿

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精華大の学長さんから挨拶があった後、まずは高橋さんから話題提供。

【高橋】
・69年1月に京大を受験。一方で火炎瓶を同志社に投げに行った(笑)。
・「自由」が抽象的な言葉なので、具体的に話したい。
・私は今小説家&明治学院大学教授。小説を書くことと教育は似ている。
・unlearn=「学び直す」「学びほぐす」。セーターを編んだあとにほぐし、編み返す。ようなもの。
・最近の若い人は頭が固い。
・NHK「ようこそ先輩」で小説を教えた。「ウソ日記」を書け!というもの(笑)。
・30人中28人くらい素晴らしいデキだった。ちなみにダメだった2人は読書家。しかも宮沢賢治が好きとか(笑)。
・現在子育て中。教育と創造について話したい。
きのくに子どもの村学園に行った。自由学校。
・クラス、学年、教科書、先生、宿題、すべてない。
・学力は?そんなこと可能なのか?(不自由な社会)で適応できるのか?
・8才で字が書けない。そろそろ字を習いたい、と「自己申告」した人だけが学べる。
・算数6年間分を8週間で。通常の子どもより学力が付いてしまう。
・(学びは)本能として欲望するものだ、というオプティミズムがある。
・教師は何をするか?子どもの「やりたい」に反応できるようにとにかくじっと「見る」。
・「教える」のではなく「教えて!」というまで待つ。
・さらには民主主義は「参加」することである、ことを教える。
・自由=編み直し(学び直し)、である。

「unlearn」をきっかけに「自由」「学び」の話がスタート。これに対する古市さんの応答です。

【古市】
・京都へはあんまり来ない。初心者に優しくない場所じゃないですか、観光したくても自由に動けない(笑)。
・「前提」が(身体に)埋め込まれていないと、自由には動けないもの。
・若い人の頭が固いのは当たり前。固くない方が異常。
・世間と学校は、違うルール(原理)で動いている。
・友人が皆、社会に出てつまらなくなっている。愚痴や失敗談ばかり。
・情報の真空地帯に新しいものは生まれない。by上野千鶴子。
・今は「自由」な時代(不安定だけど)。世界的な分業の中で。
・自由=選ばされる(埋め込まれた)モノかもしれない。
・行動主義=人は時代・環境(文化資本)に影響される。
・unlearnを推奨するにしても、learnがそもそもない状態でどうするのか。ほぐす前に編めないのでは。

続いてお子さんの障害についての高橋さんのお話。「指名された」ことで「体中が燃えるような喜び」が沸いた、という。天職=Callingのお話も。

【高橋】
・社会的(身体的)弱者=保護の対象、という考えが邪魔。
・「弱い」ことはネガティブ?積極的な意味があるのでは?
・子どもが脳炎になり、しかも重症で、生涯働けない、と言われパニックになった。
・その後いろいろと考え悩み、「彼を守るのは僕しかいない」「この子と一緒に生きていこう」と思った途端に、体中が燃えるような喜びに。
・ちなみに妻にこのことを打ち明けたら「私は医者に言われて数秒でそう決めてた」(笑)。女は強い。
・重症の患者ばかりの子どもの病棟の特徴。その子の父は暗いが、母は明るい。「この子がいるから元気になれる」。
・介護するようになって元気になった。指名された、と思う人は感度が鋭くなる。天職=Calling。
・寝たきり、死を待つだけ…という状況を目の当たりにすると、健常者のもろさを知ることができる。
・院生、会社の役員、本も出している…古市さんのような「社会的強者」があのような本を出してもなぁ、と言われたらどうする?
・「おひとりさまの老後」を出した上野千鶴子さんも強者なのと同じような話ですが。

おひとりさまの老後おひとりさまの老後
上野 千鶴子

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少し意地悪な質問でしたが、(他人の人生を追体験することは)「それ以上でもそれ以下でもない」というドライ感が何とも。

【古市】
・上野さんは強いくせに弱いフリができる。女性であるとか、シングルであるとか、そういう弱者語りができる。
・ピースボートでフリーターにたくさん会う。
・自分の世界を生きる/人の世界(人生)への追体験、想像力、それ以上でもそれ以下でもない。他人の人生を生きることはできない。
・幸せ=お金、という考えには「終わりがない」。幸せ=承認、という考えにシフトする。
・但し、承認のレースを続けるのにもお金がいる。
・強者・弱者とか関係のない社会。
・ベーシックインカムは手厚い方がいい。だって手厚くなかったら肉親助けないといけなくなるから(笑)。

「小熊英二、東浩紀、津田大介、荻上チキ…。古市さんはおとなしめ?」という高橋さんの質問に対して、

【古市】
・やりたい人にやらせればいい。
・知識人は社会問題を探し回っている。
・小熊さんの本が売れれば、官邸前デモが減るという件(笑)。

社会を変えるには (講談社現代新書)社会を変えるには (講談社現代新書)
小熊 英二

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・僕だってフロンティア分科会(内閣府)の委員したりしましたよ!

1968」の頃の雰囲気について。「資料を集めても間違っている(正確ではない)」という高橋さんの指摘が印象的でした。

【高橋】
・「1968」=ある時代の集合的無意識を捉えようとした本ではある。ただ、資料を集めても間違っている(正確ではない)、という感覚。

1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景
小熊 英二

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1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産
小熊 英二

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【高橋】
・社会の「向こう」を見ていた。
・自分とフィットしていない社会。デモでは変わらない…でもひと言言いたい、という感覚はあった。
・社会・システム=見えない檻。今もその感覚は変わらない。檻の形は変わっているけれども。

質疑の内容はなかなかにひどかったので割愛。返答の方で気になった箇所のみ記録します。今日の話で言えば「自由なつもりで不自由な自分語り」ばかり。

・学生運動=自分探し、これでも構わない。
・政治目標は何でもいい。価値ある自分がいるという前提があればいい。
・文学=Look at meだった。が、自分など「ない」(ことへの気づき)=自由、である。
・自分は何者でもない(割り切り)が、何者かではあるということ(諦め)を受け入れる。
・「やらない」という判断もアリ(好きにすればいい)。

古市さんの最後の〆の言葉が良かったです。随所随所に精華大ネタを織り込んでいた何気ない気配りが何とも(笑)。

【古市】
・内田・上野・高橋…「楽しそう」に人は集まる。ギャグマンガコースとかいい流れなんじゃないですか(笑)。

<関連>
特集vol.42 ひとりひとりのための、幸せの作り方 - AVと子育ての共通点 高橋源一郎インタビュー -特集:CINRA.NET
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