わたり終えるか、転げ落ちるか
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4/4(金)、第19回教育カフェ・マラソンの話題提供者は京都大学人文科学研究所准教授の石井美保さん。私が教育カフェ・マラソンの実行委員になって初めてお呼びする話題提供者です!(お引き受けいただき、本当にありがとうございました!)
精霊たちのフロンティア―ガーナ南部の開拓移民社会における“超常現象”の民族誌精霊たちのフロンティア―ガーナ南部の開拓移民社会における“超常現象”の民族誌
石井 美保

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<関連>
石井美保研究室
箕面こどもの森学園の教育カフェ・マラソンでお話ししました。 | 石井美保研究室
浅田羽菜さんの家族とともに歩む会-京都市立養徳小学校プール事故訴訟に関する情報
問題は、「フィールドで小人に出会う」という出来事が、私自身にとって具体的な「現実」、あるいは経験的な「真実」であるとしか思われない、という点にある。:人生はタイトロープ

ご専門の文化人類学の見地から、「ここではない世界をひらく力―人類学が子どもとともにできること」というタイトルでお話いただきました。子どもとは、「両義的」な「完全に規範化されていない」存在であり、「大人」という「規範」を破壊する「他者」であり、「いま・ここ」に絡みとられない存在である、ということについて、歴史的な背景や、フィールドワークでのご経験を通じて、説明していただきました。

後半では、京都市立養徳小学校プール事故との関連で、学校の持つ「元に戻ろうとする力」「日常を守ろうとする力」についてお話いただきました。プール事故で亡くなった浅田羽菜ちゃんの「喪失」からなるべく子どもを「遠ざけよう」とする学校の「力」。「いま・ここ」に絡みとられない存在である子どもVS「いま・ここ」に絡みとろうとする学校。「いま・ここ」に絡みとろうとする理由としては、(大人自身の)「安心への希求」の結果として「異質なものの排除」する力が働いているのでは、とのこと。子どもに死の「なまなましい痛み」に直面させることは、大人にとって「安心」できないことなのだ、という問題提起は、後の熟議「ほんとうの意味で『子どもを守ること』とは?」につながっていくことになります。

熟議「ほんとうの意味で『子どもを守ること』とは?」の私の答えとして、先生が話題提供中に挙げられていた「(子どもの)声を聴くこと」、と述べました。プール事故を検証(なぜ溺れてしまったのか、なぜ深いところに行ってしまったのか)する調査委員会がとにかく、観察可能な事象(ビート板がどのように当たっていたか、等)を対象にしていたのに対し、「羽菜ちゃんは先生について行きたかったのでは」という(観察不可能な)羽菜ちゃんの声(死者の声)を聴こうとする子どもの例に、大変ショックを受けました。先生が「フィールドにおける『超常性』のとらえかた:はじまりとしてのフィールドワーク―自分がひらく、世界がわかる」での以下の箇所の「精霊や小人や妖術者の棲む世界」を「子どもが棲む世界」と置き換えて読むと、今回の演題「人類学が子どもとともにできること」の意味がすっと腑に落ちたように思いました。

…ここでいう「現実世界」とは、原則として人類学者が参与-観察することができ、社会科学的な方法で分析することが可能な世界であるとされる。逆にいえば、精霊や小人や妖術者の棲む世界とは、人類学者が参与-観察することができず、社会科学的な方法による検証が不可能であり、したがって人々の語りを聞き取ることによってのみ再構築されるような領域であるとされる。精霊や小人や妖術者の存在が、このように直接的に「観察されうる」ものではなく、間接的に「語られる」ほかない存在であることが、人類学者にとってそうした存在を想像的なもの、あるいは非現実的なものとみなす根拠となりえたといえる。

はじまりとしてのフィールドワーク―自分がひらく、世界がわかるフィールドにおける『超常性』のとらえかた:はじまりとしてのフィールドワーク―自分がひらく、世界がわかる
石井 美保, 李 仁子 (編集), 金谷 美和 (編集), 佐藤 知久 (編集)

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今回の教育カフェ・マラソンの予告の際にもはやネタとして(笑)何度か使わせていただいた「私の人生で出会った2大『美保さん』の写真(笑)。
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