わたり終えるか、転げ落ちるか
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『直感は経験で磨く』棋士・羽生善治;NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」を観ていたときにアタマを過ぎりに過ぎった「スポーツを『読む』」で紹介されていた三島由紀夫氏の以下の文章。羽生さんがここ数年大事にしていらっしゃるという「玲瓏(=透き通り、曇りのないさま)」という言葉は、「記憶にとらわれ、それを再現しよう」とする心を振り払うためのおまじないなのではないか、と思うのです。

 スポーツは皮肉な原理を持っていて、若さと老巧とが一人の人間の肉体の中で、始終その配分を争っている。そして、自分に勝ち、自分を征服しつくしたときは、多くは若さを失ったのちである。ペレスという男は、そのスレスレのところで、あらゆる試合外試合内の懸引を弄して、王座をなお保っている。しかし、「老巧」などという言葉は、スポーツの世界では不吉な言葉で、それはいつかきっと「若さ」に敗れる日が来るのである。

 守る側の人間は、どんなに強引な武器を用意していても、いつか倒される運命にあるのだ、という人間世界の鉄則を、この試合は見事に象徴化していた。

 海老原はいま、若さの栄光の目まいの中にいるだろう。自分をこの、神を背後に背負ったようなおそるべき勝利の記憶へなんども呼び戻そうとするだろう。しかし、もう彼は、この瞬間を忘れなければならぬ。記憶にとらわれ、それを再現しようとしたら、もうおしまいだ。彼の前にあるのは未知だけであり、つねに新しい未知への挑戦だけなのである。

スポーツを「読む」―記憶に残るノンフィクション文章読本スポーツを「読む」―記憶に残るノンフィクション文章読本
重松 清

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コメント
この記事へのコメント
なんとなく
羽生さんの物事の考え方が、三谷さんに似ているような気がして真剣に観てしまいました。
羽生さんの著書『決断力』の中の文章も三谷さんぽいというか。。。
考え方?文章スタイル?
何がそう思わせるのかよく判らないんだけどなんとなく三谷さんを投影させながら読んだ本です。
本の内容は“玲瓏”についての文章もあり今回の番組の内容とかぶるところがかなりありますがよかったら一読くださいませ。

ところで、今日この番組の主題歌『Progress』が発売に!
さわやかサウンドでいい感じです♪v-238
2006/08/03(木) 02:17 | URL | しおん #6facQlv.[ 編集]
たしかに将棋と音楽、通じるところありそうですね。それに羽生さんも三谷さんも、熱くなりつつ冷めてる(あるいはその逆)みたいなとことか通じてそうな気がします。「決断力」、ぜひ読んでみたいと思います。

ぬおー今日でしたねーまだ入手してないです。フルでぜひ聴いてみたいのと、カップリングの方にも興味あります。メンバーの皆さん、それぞれスゴイ方なんですけども、何と言っても今回はスガさんの声と詞にやられたーって感じです。
2006/08/03(木) 22:15 | URL | 啓介 #6OcbfI92[ 編集]
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